2021/03/13 増田のつぶやき
10年が経ち思うこと
豊が丘にて建築が進む F様邸
Panasonic耐震工法 テクノストラクチャーで建てる耐震3等級の建物です。
梁には「テクノビーム」と呼ばれる金属製の物を使います。
私たちは見慣れた光景ですが、初めて見るお客様は驚かれます。しかし、籔から棒に硬くして良い物では
ありません。
大切な事は、「構造計算」によるバランスの良い強さなのです。これは、熊本の震災の時に問題となりました。
阪神淡路の震災では古い建物が倒壊し、火災が起こった事で築年数の古い建物に補強を行なう事が
注目されました。しかし、熊本の地震では築年数の浅い家が倒壊し、日本の耐震基準について考えさせられ
ました。経験と勘に頼る耐震金物での補強では、大きな地震にそなえる事は出来ないと証明され、構造計算
の大切さを思い知りました。
しかし、ひとくちに「構造計算」と言っても内容は様々です。一般的に行われている構造計算が200項目程度な
のに対し、「テクノストラクチャー」の構造計算は388項目をチェックします。厳しい自社基準を設定し安全性を
追求しています。
来るか来ないか分らない震災に対して、向き合い方はそれぞれの考え方があります。何が正しいのか
答えの出ない問いですが、備える事が唯一出来る防衛で有る事は確かです。
東日本大震災では、居住地域についても多くの事を考えさせられました。三重県では海に面する町
や、山の麓にある町も多く、それぞれに不安要素があります。
家を建てる場所についても簡単に決めることが難しい地域だからこそ、土地選びからお客様と向き合い
一緒に歩む姿勢が大切だと再確認した3月11日になりました。
あの震災から10年経ちますが、時間には区切りなどありません。記憶を薄める事無く建築に携わって
いこうと考えます。
増田 でした。